平成22年度 事業報告
平成22年度 第4回職員研修会(入間会場)が開催されました。
平成23年2月10日(木)午前10時10分〜午後3時40分
所沢市立中央公民館において
今回は、午前の部は3名の先生方によるテーマに関する報告、その後に鼎談という形式をとり、午後は別の講師による講演という研修を行った。○フォーラム(鼎談)
『世界が注目、公民館!〜その魅力と地域での役割を再認識する〜』
報告者・柴尾智子氏(ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)事業部次長)
・金 侖貞氏(首都大学東京准教授)
・村上英己氏(全国公民館連合会)
司会者 相田 肇 所沢市立山口公民館館長
全国公民館連合会の村上氏は、全国の多くの人たちが十分な社会教育を享受できるよう公民館活動を応援し、公民館における社会教育活動を活性化していくことに一役買っている。
ACCUは、ユネスコと緊密な連携を図りながら、アジア太平洋地域ユネスコ加盟国と協力して、文化、教育、人物交流など現地のニーズを反映した地域協力事業を推進している。
そのような活動をしている柴尾氏からは、アニメの映像によるアジアのコミュニティ学習センター(CLC)の識字教育や職業訓練に取り組んでいる現状を含め、日本の公民館がCLC関係者から高い関心を集めており、今後の相互交流に期待が寄せられていると報告があった。
金氏は、「公民館」は外国から日本社会教育の代表的なブランドとして評価されているが、国内では公民館をめぐる認識の相違が見られる。公民館に対する世界からの関心は高く、積極的に評価していくとともに、公民館の可能性を捉えなおすことも必要である。
なお、韓国では公民館をモデルに導入した住民自治センターが住民の自己教育・相互教育・住民自治という共通項を有しながら展開・発展していると報告があった。
○講演
『まちづくりにおける公民館の役割と課題』
講師 西木憲治氏(福井県公民館連合会会長・坂井市春江西公民館館長
春江西まちづくり協議会事務局長)
坂井市は、旧4町の合併を機に公民館活動がより有効に機能するための運営体制を整えるきっかけができた。同時に、地域の特性を生かしたまちづくりを目指し様々な活動が繰り広げられた。しかし、そこには大きな課題も出てきた。まちづくり活動を市民の自主的な活動として定着し、地域や暮らしの課題を解決するには、公民館の社会教育力による支援とともに、それを発揮できる職員を育成することが必要となってきた。
時代の変化とともにまちづくり活動をうまく活用して、市民の自由な活動にしていく視点が公民館に求められている。公民館は、今こそ社会教育機能を発揮する時である。
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午前の部 3人の報告者による鼎談 | 午後の部 西木氏による講演 |
平成22年度 第3回職員研修会(児玉会場)が開催されました。
平成22年11月12日(金)午前10時30分〜午後2時40分
上里町役場において
今回の研修は、元上尾市教育長で現在は地元の上里東公民館長浅見勲氏の事例発表と東京国際大学講師栗原保氏の講演を公民館等職員を対象に開催しました。この研修会は、公民館の運営に必要な基礎的かつ実践的な知識及び技術等について研修を実施するもので公民館職員としての資質の向上を図るものです。
今回の上里東公民館長浅見勲氏からの事例発表のテーマは「上里東公民館の取り組みについて」で、ファシリテーターを東京国際大学講師栗原保氏にお願いしました。事例発表では、主に公民館の施設管理の徹底について強調し、その取り組みが紹介されました。管理方法をはじめ、管理日報や施設使用報告書の様式等は参加した公民館職員にとって大変参考になったのではないでしょうか。
午後の部では、上里町教育委員会山下武彦教育長よりごあいさつを賜り、日本人女性初の水上飛行士・西崎キクを郷土の偉人としてPRしていることを紹介するとともに、これからも公民館職員として研鑽を積み、生涯学習の推進に取り組んでほしい旨のお話がありました。
その後、栗原先生の「現代社会の地域課題と公民館」というテーマの講演が行われ、講演では、まず、結論ありきから始まり、すべての内容について90分間熱く語っておりました。現代社会の地域課題として3つの教育(学校教育・家庭教育・社会教育)の連携=コーディネートする力が求められている。連携には情報交換・相互補完・協働機能といった3つの機能がある。また、3つの機能にはそれぞれ特性があるので、互いの特性を認め対等な協力関係のもと協働機能を発揮することにより、課題を解決し活動するように導くことがコーディネート力であるとのことでした。栗原先生の講演は研修を受けているものを圧倒するほどの講演でした。
![]() 事例発表 上里東公民館浅見館長 |
![]() 講演 文教大学講師 栗原保氏 |
第32回全国公民館研究集会が石川県金沢市で開催されました。
平成22年10月14日(木)〜15日(金)
石川県立音楽堂 他6会場において
『地域の核となる公民館活動の創造』〜これからの公民館活動のあり方〜をテーマに第32回全国公民館研究集会が2日間にわたって石川県金沢市で開催されました。この大会は、全国の公民館関係者をはじめ、生涯学習・社会教育の関係者等が「歴史と文化の地」石川に集い、実践活動の紹介や研究協議を行いながら、共に学び合い、今後の公民館のあるべき姿を追求し、公民館活動の一層の充実・発展に寄与していこうとするものです。まず、第1日目に研究集会参加者全員の総意をもって、以下の3点をアピールすることとしました。
1.公民館職員は、その職責を自覚し公民館の活性化に努める。
2.都道府県公民館連合会は、互いの絆を深め公民館の充実・発展に努める。
3.全国公民館連合会は、全国的な視野で公民館並びに都道府県公連の活動を支援する。
続いて、文部科学省生涯学習政策局社会教育課課長補佐から、平成23年度概算要求事項の施策説明がありました。
1点目は、新規事業として「新しい公共」型学校創造事業で、学校と地域を活性化する地域コミュニティ学校を構築するとともに、様々な取り組みを実施しようとするものです。
2点目も新規事業で、成長分野等における中核的専門人材養成の戦略的推進について説明がありました。
3点目は、学校・家庭・地域の連携協力推進事業で、地域社会全体で様々な教育支援活動を実施し、地域の教育力の向上を図るもののほか、社会教育による地域の教育力強化プロジェクトなどの事業があります。
最後に、石川県立美術館館長の嶋崎丞氏による「いしかわで花開いた美術・工芸」という演題の記念講演が行われました。加賀前田家の城下町として栄えて以来、加賀友禅や金沢箔などの伝統工芸や、能楽や加賀万歳などの伝統芸能が受け継がれ発展させてきた取り組みは並大抵なことではないと感じました。さらに、「金沢21世紀美術館」に代表される新しい文化も息づいているとのことで驚かされることばかりでした。
2日目は、6つの分科会の会場がそれぞれ別会場となり、当協議会は第1分科会の「生涯学習社会の中核としての公民館」に参加しました。
ここでの事例発表は、愛媛県松山市の発表者が「生涯学習の振興に果たす公民館の役割について」と題し、まつやま教育プラン21の中で「生きる喜びが実感できる人づくり」を目標に、学校・家庭・地域と連携した教育行政を推進していること、その活動内容などを具体的に説明しました。
もうひとつの事例発表は、石川県輪島市の発表者が「能登半島地震からの復興を通して」と題し、そのとき公民館はどう対応したかという現実的な話に、我々行政として適切な対応ができるか不安に感じました。輪島市ではこの地震を機に、小学生のボランティア活動、地域美化運動など積極的に行われるようになり、地域の人と人との絆が強くなったとのことでしたが、時がたつにつれその絆も薄れつつあるようで、どう取り戻すかが今後の課題であるという説明がありました。
その後、助言者から「生涯学習社会の中核としての公民館は、地域に根づかなければならない。それには、公民館の事業には「楽しい」「互いに」「体験」という3つのTが必要である。そして、多くの事業に自ら関わり参画し役割を持って地域で活躍する人になることである。」というアドバイスがあり、参加者の多くが生涯学習の振興に果たす公民館の役割を再確認しました。
平成22年度 新任職員研修会が開催されました。
平成22年9月17日(金)午前10時〜午後4時
行田市中央公民館において
今年も本協議会の研修事業の一環として、公民館経験2年未満の新任職員を対象とした研修会を行田市中央公民館において開催しました。この研修会は、公民館の運営に必要な基礎的かつ実践的な知識及び技術等について研修を行い、公民館職員としての資質の向上を図ろうとするもので、毎年、新任職員を対象にわかりやすい講義を行っています。
開催にあたり小林協議会会長よりあいさつがあり、その後研修に入りました。
今回は、「行列のできる公民館」という親しみやすいテーマを掲げてみました。講師には埼玉県教育局市町村支援部生涯学習文化財課から清水主席社会教育主事、内河社会教育主事を迎え、初めからグループに分かれ他市町の職員と交流を図りながら、〜おとなの学びと学習プログラムの企画〜をかみくだいて講義を行いました。
午後には、「行列のできる公民館とは、どんな公民館なのか」という課題のもと、5つに班編成されたメンバー一人ひとりが現状をありのままに分析し、何が問題かを出し合ううちに自然とグループ内の討議が熱を帯びてきました。その後、行列のできる条件を模造紙にまとめ班ごとに発表し、それを聞いて2つの班から感想を寄せ合うと参加者全員がひとつの想いを分かち合っているようでした。
最後に清水講師が「主事が勤務上必要とする能力とは」、「人が集まらない講座の言い訳ワースト3」をまとめて、魅力ある公民館は『人』であり、訪れる人や地域の人に『幸せを与えられる公民館』でありたいと締めくくり研修を修了しました。
研修後のアンケートでも「同じ立場でがんばっている人たちと情報交換ができてよかった。」「これからは、幸せを運ぶ公民館を目指したい。」という感想があり、とても有意義な研修となりました。
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第51回関東甲信越静公民館研究大会が開催されました。
平成22年8月19日(木)〜20日(金)
静岡県コンベンションアーツセンター「グランシップ」において
平成22年8月19日(木)〜20日(金)の2日間にわたり、静岡県コンベンションアーツセンター“グランシップ”において開催された第51回関東甲信越静公民館研究大会に参加しました。本大会は、「公民館の今日的使命を求めて」をテーマに公民館活動のさらなる発展を図るため、人づくり・地域コミュニティなどの公民館の多様な役割を研究討議する場として開催されています。
1日目の19日は、公民館関係職員の表彰式に続いて、常磐大学坂本登教授による基調講演、静岡大学小和田哲男名誉教授による記念講演など全体会が行われました。
2日目の20日は、14分科会に分かれて実践発表、討議、意見交換が行われました。埼玉県は第6分科会を担当し〜「人とのつながり」は、ボランティア活動の原点〜というテーマで三郷市立北公民館の室伏延人主任社会教育主事から取り組みが発表されました。その後、休憩をはさみ、発表者への質疑、活発な討議、意見交換が行われ、大変実り多い研究大会となりました。
平成22年度定時総会が開催されました。
平成22年5月19日(水)午後1時30分より
行田市教育文化センターみらい文化ホールにおいて
小林会長の主催者あいさつがあり、その後、来賓としてご臨席いただいた埼玉県教育局市町村支援部副部長中村英樹様、行田市教育委員会教育長丸山綱男様、全国公民館連合会事務局長石川正夫様よりご祝辞をいただきました。総会では、平成21年度事業報告・収支決算報告、平成22年度役員(案)、事業計画(案)、収支予算(案)等の審議が行なわれ、それぞれ承認されました。
今年度の主な事業として、協議会主催による公民館職員各種研修会の開催や関連事業として、関東甲信越静公民館連絡協議会主催の第51回研究大会、全国公民館連合会主催の全国公民館研修大会(石川大会)への参加などが承認されました。
総会に引き続き、文部科学省生涯学習政策局社会教育課公民館振興係高野智志氏を講師に招いて「社会教育と地域の活性化」〜これからの社会教育と公民館〜というテーマで講演会が開催されました。